胃がん手術後の食事はここが大切！

胃がんの宣告をうけると
そのことだけで、頭がいっぱいになってしまいます。

手術後のことを考えたり、イメージできたり
する人は少ないはずです。

ガンは手術をして終わりという病気ではありません。
手術後にも、いろいろな悩みが生じます。

悩みのひとつが、胃がんの手術後の食事でしょう。

• 胃を切り取ったら、消化はどうなるの？
• どのような食事にすればいいの？
• 気をつけるべきポイントは？

いろいろ、考えてしまうはずです。

実際に、がん手術を体験した人間を
そばで見ていて、気づいたことがあります。

この記事を読んで、本人はもちろん、
家族の方の、不安や心配が、少しでも
減ってくれれば、いいなあと思います。

私の父の胃がんが、どのような症状で発覚したかはこちらから！

胃がんの初期症状とは？腰痛に注意！

胃がん手術の当日

胃がん手術の当日、
付き添っていたのは母と私です。

手術自体はスムーズに進んだようで
特に、問題もなく終わりました。

その病院では、切除した胃の写真を
母と私に見せてくれました。

切り取った胃の大きさに、かなり驚いた記憶があります。
体の器官をこんなに切り取っても大丈夫なんだろうか？

人間の体ってすごいなあ！医学ってすごいなあ！
と漠然と思いました。

退院後の食生活

病院に入院している間は、病院がすべて
食事の用意をしてくれるので、おまかせです。

退院してから、はじめて
どのように食事を準備したらいいのか？
悩みがでてきます。

お医者さんから言われたことは、
「好きなものを食べて大丈夫ですよ！」

それを聞いて、驚いてしまいました。
食べ物の制限があるものと、思い込んでいたのです。

栄養のバランスのよいものを、よく噛んで食べてください。
たくさん食べ過ぎると、苦しくなるので、量は少なめから
そのぶん、回数は多くしていいですよ。

そのようなことを言われました。

お肉などは消化に悪そうなイメージがあったのですが、
特に問題ないそうです。

繊維質の多い食べ物は胃に詰まりやすいので、
気をつけてください。とは言われました。
繊維質の多い、きのこ類などには、注意した方がいいかもしれません。

しかし、胃がんだからといって、特に、厳しい食事制限はないのです。

胃がん手術後の食事の本当の問題

じつは、胃がん手術後の食事に関しては
他に大きな問題がでてきました。

ひとつは、
本人の食の好みが変わってしまったことです。

手術前は、朝ごはんは、洋食派の父で
バターをたっぷり塗ったトースト、
濃いめのコーヒー、目玉焼き、ベーコン
などが大好きでした。

しかし、好物だったモノが、すべてダメになったのです。

ダメというのは、食べられなくなったのです。

トーストが焼ける香りや、バターやベーコンの香りが
キッチンに漂うだけで、「気持ち悪い」
と言い始めたのです。

胃がんの手術と、食べ物の好みの因果関係は
わからないのですが、
父の食べ物の好みが変わったことは確かです。

父の好物を、いろいろ食べさせようと
思ってた母は、慌てました。

本人にも、なぜかはわからないのです。
しかし、手術前より、好物や食べられるモノが減りました。

頭や目では食べたいと思っても、実際に口にすると
気持ち悪くなる事もありました。

なるべく、退院後は、いろいろな
食材を食べさせて、栄養がとれるようにしたい！
母は、計画していました。

が、すべて白紙です。

ちなみに、手術後はコーヒーの香りさえダメでしたが
時間の経過と共に、コーヒー好きに、また戻りました。

今では、すっかり、前と同じように、コーヒーを楽しんでいます。

蛇足ですが、コーヒーは、刺激物になるので、
手術後はなるべく、控えたほうがいいそうです。

もしかしたら、術後は
父の体が、刺激物を、自然に拒んでいたのかもしれませんね。

太りたい悩み

ふたつめとして、太りたいからと
食事を多く食べようと、あせってしまうことです。

あせってしまい、食べ物を押し流すような
食べ方はよくありません。

食中や食後に
ダンピング症候群を引き起こす危険があります。

ダンピング症候群とは
容積が小さくなって、貯留機能が失われている胃が、
食べ物を、そのまま腸内に、おしだしてしまうのです。

• 冷や汗
• 動悸
• めまい
• 全身がだるい
• 頭痛
• 熱があるように感じる
• 呼吸困難
• 下痢
• 腹痛
• 吐き気

このような症状を引き起こします。

ダンピング症候群を防ぐには、

• 唾液と食べ物を、混ぜ合わせるように、よく噛んで食べる。
• 水などで、食べ物を流し込むような食べ方をしない。

これが重要です。

太りたいからと、食べ物を流すように
無理やり食べないように気をつけましょう。

体重に関しては、無理やり戻そうとは
あせらないほうが、絶対にいいです。

手術後、20年たちましたが、相変わらず痩せたままです。
痩せていても、特に、健康上の問題はないので大丈夫ですよ。

ダイエットに悩んでいる女性からしたら
太りたい！なんて、贅沢な悩みだよねえ。
今では、冗談にしているくらいです。

胃がんの手術後の食事に関しては
本人も周りもストレスを感じてしまいがちです。

吐き気、下痢、便秘、貧血、体重の減少
問題が、いろいろでてくるので、心配になるのはわかります。

しかし、神経質にならなくても大丈夫ですよ。
多くのことは、時間が解決してくれます。

そばから見ていると
おおらかな気持ちで、自分の体と
付き合っていくほうが、結果的には良いようですよ。