筋萎縮性側索硬化症の症状とは?その原因や治療法は?
筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)
という病気を、知っていますか?
ヤクルトや日本ハムで監督を務めた土橋正幸さんが
この病気が原因で、亡くなられています。
筋萎縮性側索硬化症は、ルーゲーリック病、あるいは、ALSという
名称でも呼ばれます。
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)の症状
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)は
手足・胴体・のど・舌の筋肉が、だんだんやせて、
筋力が、しだいになくなっていく、病気です。
筋肉そのものではなく、筋肉を動かしている、
運動神経細胞が、徐々に死んでいくのです。
運動神経の細胞だけが、破壊されて、
知能、意識、感覚は、正常なまま、
全身の筋肉が徐々に麻痺していきます。
腕と脚、顔の筋肉のマヒから始まって、話すことが困難になり、
手足の自由がきかず、車椅子の生活を強いられます。
病気が進行するに従い、動かせる筋肉の範囲が、非常にせまくなり、
指一本すら、動かすことができないほどになります。
発症後3年から5年で、呼吸筋麻痺により、
死亡する患者さんが半数をしめます。
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)で病状が悪化しても
ほとんどの場合は、感覚、意識、知性は正常なままです。
病気は、常に進行して、途中で症状が、軽くなるということはありません。
人口10万人当たり、0.4~1.9人の発症率で、
全国では4000名以上の、患者さんがいると、考えられています。
割合としては、50~60歳代の男性の発症が多いそうです。
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)の原因と治療法
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)の原因は、不明です。
興奮性アミノ酸の代謝に異常があるとの説、自己免疫病であるとの説が
ありますが、はっきりしていません。
5~10%は遺伝することが報告されており、そのうちの2割に
活性酸素(フリーラジカル)を処理する、
スーパーオキサイド・デスムターゼという遺伝子の異常がみつかっています。
治療としては、リルゾールという薬を使用します。
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)の進行を、遅らせるのに役立ちます。
しかし、根治できる治療方法は、ありません。
- 筋肉や関節の痛みに対しては、リハビリテーション。
- 体の自由が効かないことや、病気に対する不安が原因の不眠には、睡眠薬や安定剤。
- 呼吸困難に対しては、気管切開。
- 家族や他の人とのコミュニケーションを補助する文字盤の習得。
対症療法が中心の、治療になります。
漫画を読む人や、アニメファンなら「宇宙兄弟」を知っていると思います。
その中で、伊藤せりかさんという、宇宙飛行士を目指す、キャラクターが登場します。
彼女は、幼い頃に、お父さんをALSで亡くしています。
そんな父を奪った、原因不明の難病である、ALSの治療方法を、
宇宙で研究したいと願い、宇宙飛行士を、目指しているのです。
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)の発覚と進行
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)の診断は、初期のころは
患者の自覚症状が乏しく、複数の医者の、セカンドオピニオンを
求めているうちに、判明することが多いようです。
足がもつれて歩きにくい。
指に力が入らなくて、物をよく落としてしまう。
そんな些細なことから、病気がはじまります。
なんとなく、しゃべりずらい。
食事がのどを通りにくいという症状から、病院へ行く人もいます。
宇宙兄弟のなかで、せりかさんが、シャロンおばさんの
ボロボロの携帯電話をみて、もしかしたら、ALSなのでは?
と疑う、場面がでてきます。
手に力が入らずに、シャロンおばさんは、なんども、なんども
携帯電話を、落としてしまうのです。
このように、
最初は、病気とは判明がつかないような症状から、はじまりますが、
筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)の特徴は、進行性の病気ということです。
患者さんにより、進行の経過や期間は、まちまちです。
なかには、筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)との診断を受けて、
3〜6ヶ月の短期で亡くなってしまう例、10年以上でゆっくり進行する例もあります。
土橋正幸さんは、筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病/ALS)との
診断をされて、1年も経たないうちに、亡くなられました。
世の中で最も残酷な病気、本当にそう思います。
じつは、私の友人はこの病気と5年以上戦っています。
彼が制作したビデオがありますので、よければ是非みてください。
(2分弱の短い時間です)
このビデオをみてわかるように、病気に負けることなく、
日々、精力的に活動しています。
勇気、行動力、人間としての威厳。
正直、私の方が学び、励まされることも少なくありません。
はやく、せりかさんのようなひとが出現して、
治療方法を早く発見してほしいと心から願います。
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Comment
私の母もALSで20年前に亡くなりました。まだその頃はあまり知られてない病気で発症の時期もはっきりしませんでした。看てる方も辛かったですが、意識がはっきりしているぶん誰より本人が一番辛かったと思います。一日も早く治療薬が出来たらと願うばかりです。
ひまわりさん
コメントありがとうございます。
お母様のことは、本当に、なんと言葉をかけてよいのかわかりません。
治療法がないということや難病ということで、本人はもちろん
周りの人間にとっても、非常に辛いストレスのたまる病気だと感じます。
私の友人が、ALSで今現在、治療中です。
呼吸器をつけている段階です。
本当に、おっしゃる通り、一日も早く、治療薬の実現を願います。