ファミリア銀座本店！なのに神戸出身？最初は靴屋？

ファミリアの創業者の一人である
坂野惇子（ばんのあつこ）さん。

彼女をモデルにしたテレビドラマが
始まると聞いて、ファミリアに興味がでてきました。

『日本の子ども服を変えた』と
言われるファミリアです。

ファミリアについて、いろいろ調べてみました。
すると、面白いトレビアがたくさん見つかりましたよ。

ファミリア銀座本店の場所

私が初めてファミリアを訪れたのは
10年以上前のこと。。。

銀座４丁目の交差点から新橋方面へ行き、
確かビルの地下にお店があった記憶があります。

まずは、ファミリア銀座本店の場所から
見ていくことにします。

ファミリア銀座本店

東京都中央区銀座8-8-8　
銀座888(スリーエイト)ビル　1F/2F

番地が８並びで覚えやすい住所です。

あれっ？？？なんだか思ったよりも
新橋寄りに位置しています。

電車で行く場合は、新橋で降りた方が近そうです。

ファミリア銀座本店は2014年に移転しており、
この場所で、リニューアルオープンしていたんですね。

移転前は、確かニューメルサ•ビルの地下だった記憶があります。

調べてみると、やはり、1999年から15年ほど、
銀座５丁目のメルサビルにお店を構えていました。

私が行ったことがあるのは、
こちらのファミリア銀座本店だったようです。

そもそも、もうニューメルサはなく、
EXITMELSA（イグジッドメルサ）に建て替えられています。（笑）

私の知っている銀座やメルサ、ファミリアは
かなり大昔の情報のようですね。（笑）

いまだに、ファミリアはニューメルサの
印象が強かったので、軽くショックです。

ファミリアの意味は？

ファミリアの会社名は英語です。

ファミリア　＝　familiar

英語では、『親しい』『馴染み深い』
そんな意味になります。

坂野惇子さんがお店の名前を決めるときに
子供と母親に向いている言葉、
家庭的な意味が含まれている。　

ショップ名のイメージをそう考えていたそうです。

その当時、たまたま知り合った外国人に
フランス語で家族の意味を持つ
famille（ファミーユ）という単語を教えてもらいました。

その響きが凄く気に入ったのです。

でも、お店の名前は英語でつけようと考えていました。

辞書を見てみると、famille（ファミーユ）から
派生して、familiar（ファミリア）の英単語があることが
わかりました。

そして、英語名familiar（ファミリア）に決定したのです。
1950年のことです。

いまでこそ、英語名の社名はありふれています。
しかし、その当時では、かなり珍しいことでした。

この社名はハイカラな雰囲気だったはずです。

ファミリ屋さんなんて
呼ばれることもあったそうですよ。

ファミちゃんはおじいちゃん？

ファミリアの子ども服の印象、、

育ちが良さそう。おぼっちゃま、お嬢ちゃま
皇室御用達、ピアノのお稽古のバッグ。

私にとって、そんなイメージです。

そして、もうひとつ！

⏫はい、ファミリアのくまのファミちゃんです。

すっかりうちの子として、可愛がられています。

ファミリアのキャラクター。
男の子のファミちゃん、女の子のリアちゃん。
有名なふたりです。

ぬいぐるみとしてだけではなく、絵本でも活躍しています。

そんなくまちゃんですが、、
実はファミちゃん、かなりの年配なんですよ！

のちに、ファミちゃんと名付けられる
子グマのモチーフは1951年に生まれました。

ファミちゃんは2016年に65歳のお誕生日を迎えていたのです。

私より年上だったという事実が判明しました。
これからは、ファミおじいちゃんと呼ばないといけないかも？

ファミリアの本拠地は神戸

私にとって、ファミリアは銀座の印象が強く、
その高級なイメージから、東京の山手の会社だろうと思っていました。

ファミリアは神戸の会社です。

坂野惇子（ばんのあつこ）さんは神戸出身。

４人のファミリアの創業者のうちのひとりである
田村江つ子（たむら えつこ）さんとは
神戸にある女学校の同級生だったというくらい
生粋の神戸っ子です。

お父様は、レナウン（当時は佐々木営業部）の
創業者という関西のお嬢さまです。

そんなお嬢さまたちが
どうして商売を始めるようになったのか？

それはテレビのドラマに任せることにして、、、

ファミリアの前身であるお店、、
すべては靴屋さんから始まったのです。

1948年12月4日、神戸トア・ロードの角から
センター街に入った山側の3軒目、モトヤ靴店。

そこに2台の陳列ケースだけの
「ベビーショップ・モトヤ」が開店しました。

子ども服、、、靴屋、、、？？？？
なんだか不思議な取り合わせです。

この「ベビーショップ・モトヤ」がのちの
ファミリアと発展していくのです。

モトヤ靴店は履き心地のいい洒落た
手縫いの靴を作る店として神戸では有名でした。

そして、惇子さんの実家である佐々木家にも出入りしていたのです。

戦前、お嫁入り道具として、惇子さんのために
外国製のハイヒールや靴を揃える準備をお手伝いしたりもしました。

このモトヤ靴店の店主、元田蓮氏のひとことが
お店を開くきっかけになったのです。

戦後、いろいろなことが重なり
生活に困っていた坂野惇子さん。

戦前にモトヤ靴店に納めてもらっていた
ハイヒールを売りに出すことを決心します。

そして、モトヤ靴店を訪れます。

しかし、主人である元田氏にすれば、
彼女のために、丹精込めて作った特別な思いのある靴ばかりです。

そんな靴たちが他人の手に渡ることは
どうしても気持が進みません。

どうしたものか、、、お互いに気まずくなってしまいます。

その時です。

惇子さんがハンドバックから取り出した
お手製の写真ケースが目に入ってきました。

丁寧な刺繍が施された写真ケースは
物作りの職人である元田氏からみても
素晴らしい出来上がりだったようです。

そして、会話が進むうちに
その丁寧な仕事がされた写真ケースは
惇子さんのハンドメイドであることが明かされます。

その仕事ぶりに、驚いた元田氏は
惇子さんにお手製の小物を売ることをお勧めするのです。

「うちの陳列ケースを提供しますよ」
そんな提案までしてくれたのです。

そもそもお嬢さまで、
商売に長けていたわけではなかったはずです。

モトヤ靴店のこの提案がなければ、
「ベビーショップ・モトヤ」は存在しなかったはずです。

この小さな間借りしたショーケースが
後々のファミリアになるとは！

偶然の重なりとは本当に面白いですね。

ファミリアと外国とのつながり

私はファミリアは東京の会社とばかり
思い違いをしていました。

しかし、いろいろなトレビアが見つかる
たびに、ファミリアはすごく神戸らしい！
そう感じるようになってきました。

神戸と聞いて何が思い浮かびますか？

異人館、港町、外国とゆかりのある街
ハイカラ、おしゃれ、、

そんなイメージがありませんか？

神戸と同じく、ファミリアは
外国とのつながりが非常にある会社なのです。

その一つとして、、、

スヌーピーを日本で初めて販売した会社！
だったのです。

スヌーピーの販売権を
何と作者のシュルツ氏から直接得ていたのです。

1970年のことです。

私も小学生の頃はスヌーピーに夢中になりました。

もちろん、今でもファミリアでスヌーピーの
ぬいぐるみや関連商品は売られています。

日本の可愛いキャラクターといえば、
ハローキティですよね。

ハローキティのグッズが売られ始めたのが
1975年と聞いています。

キャラクターグッズとしては、ハローキティより
スヌーピーの方が先輩だったのです。

今でこそ、外国製のキャラクターなんて珍しくありませんが、
1970年となると、話は別です。

外国から流行を取り入れる先見の明。
流行を作り出す先取りの精神。

神戸らしくないですか？

1969年、イギリスのマーガレット王女が来日された際には
東京日本橋三越のファミリアを視察されたそうです。

皇室御用達のイメージのファミリアですが、
そんなに昔から、日本だけではなく、
ワールドワイドに名前を知られていたのには驚きです。

惇子さんは結婚当初、神戸岡本の「外人村」と
呼ばれているところに新居を構えていました。

そこにはたくさんの外国人の子どもたちがいて、
欧米流の子育ての仕方に触れる機会も多かったようです。

きっと、欧米のママたちに
インスパイアされることが多かったのでしょう。

長女が生まれた時には、英国人の紹介で
外国人専門のベビーナースである大ヶ瀬久子に来てもらいました。

日本でいち早く、欧米風の進んだ
育児法を取り入れた女性といってもいいかもしれません。

新しい育児の知識を学んで、実際に子どもを育てたのです。

こんなことができたのも、外国人の多かった
神戸だからこそできたのでは？

この時に学んだ育児法はファミリアの
子ども服作りにも反映されています。

あかちゃんや子どものためにより良いものを提供する。
その精神は欧米の育児法から基礎が培われました。

神戸だったからこそ、スタートできたように感じました。